GSユアサが、リチウムイオン電池事業を強化しているようだ。電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)などのエコカーだけでなく、航空・宇宙産業や鉄道など向けにもリチウムイオン電池の用途が広がる見通しのためだ。2010年度から12年度までに500億円の設備投資を計画し、成長戦略を加速させる。
■2012年度までに、航空・宇宙にも販路拡大
同社は、1999年から産業機器の電源用で他社に先駆けてリチウムイオン電池の生産を開始した。小型でも高出力を発揮できる特長を生かし、人工衛星やロケット、潜水艇のほか、無人搬送車や路面電車などさまざまな用途への利用拡大に注力している。とりわけ産業用大型電池では先行メリットが大きく、世界市場で優位に立っている。
09年度には、JR東日本が開発中の「蓄電池駆動車」の試験車両や国際宇宙ステーションへの物資輸送を担った日本初の無人補給機「HTV」などに供給している。本年度は米航空機大手、ボーイングの新型旅客機向け生産も本格化する。
海外では航空や宇宙、鉄道向けで成長が期待できる北米市場が主なターゲットとなる。既に電池の組立工場を米国・アトランタ市に新設し、2月から操業を始めている。今後のスマートグリッド(次世代送電網)など新エネルギー関連の製品化も視野に入れた動きと見られよう。
一方、本命のエコカー向けでは、三菱自動車やホンダと連携し、それぞれ合弁会社を設立している。EV用は栗東市に新工場を12年4月から稼働させる。草津市と京都市の3拠点体制となり、12年度中に生産量を本年度計画の3・8倍に当たる6万7800台分に引き上げる。HV用は約250億円を投じて新設する福知山市の工場が今秋に稼働する。
「経営資源を集中し、成長の核となる事業に育てる」(西田啓取締役リチウムイオン電池事業部長)ため、中期経営計画(10~12年度)のスタートに合わせて4月に専門の事業部を設置した。技術者も大幅増員して研究開発を含めた業務の機動性を高めている。
同計画では、リチウムイオン電池事業売上高を09年度の70億円程度から12年度には400億円に増やすとしているが、車載用を中心に需要が高まっているため上方修正を検討している。
スマートグリッド、太陽光発電、燃料電池とともに、リチウムイオン電池の国際競争は激化しており、GSユアサの開発力は日本にとっても他国に対し大いに先行して欲しいところだ。













