戸建住宅向けの太陽光発電システムはこれまで太陽光モジュールを後から屋根に取り付ける既築向け需要が7割程度以上を占めてきた。今後は住宅メーカー大手が新築戸建てに太陽光発電システムを標準化する動きを加速させていることから、太陽電池メーカーにとって、新築向けが主戦場となりそうだ。しかし、既築向けと違い得意の施工技術が生かしにくいためより価格重視となり、苦戦を強いられる可能性がある。
シャープ、京セラなど太陽電池大手はこれまで既築対応のために自前で施工技術者や販売会社を育ててきた。ユーザーへの事前の説明不足やパネルの取り付けミスによる雨漏り、接続不具合などのトラブルを防ぐ狙いだった。
国内太陽電池勢にとってこうした工事品質の高さはモジュール品質とともに、急増している中国などからの海外製品に対抗する切り札だった。しかし、住宅と太陽光パネルを一体施工する新築向けではその優位は必ずしも通用しなくなる。かえって、新築の納まりを熟知している住宅大手の施工の方が顧客にとっては安心だとも言えるかも知れない。
海外製品は2008年度までは国内市場でほとんど姿を見なかったが、09年度に低価格を武器に台頭し、中国のサンテックを中心に一気に11%のシェアを握った。政府が再生可能エネルギーの全量買い取り制度の導入方針を打ち出すなど日本市場は今後も需要拡大が見込まれ、海外メーカー米サンパワーや中国、韓国勢などの攻勢が続くのは必至だ。
住宅大手は今のところ太陽光発電システムを国内大手から調達しているが、海外製品について「将来は使う余地がある」(大和ハウス工業)としており、各社では発電性能や品質等の技術的な分析を行なっているところだ。
新築戸建て市場における住宅大手7社のシェアは2割弱とみられるが、各社とも過半を太陽光発電付にする計画で、積水ハウスなどは7割を目標としている。さらに、これまで太陽光発電を新築に設置する動きは住宅大手が中心だったが、今後は中堅メーカーや地場の工務店に広がることは当然予想される。新築住宅向け市場が拡大するほど、国内の太陽電池メーカーは差別化が難しくなり、価格競争にさらされる可能性が高まりそうだ。
マンションデベロッパー各社も、ソーラーマンション計画を次々発表しており、メガソーラーで市場を席巻したヨーロッパとは異なり、日本はソーラー住宅で世界をリードしていくことになりそうだ。













